医療機関で働いている皆様へのメッセージ
医療に携わる皆様は,患者さんの愁訴に真摯に耳を傾け,その疾病の治癒にできる限りの力を尽くされ,日々の診察に当たられておられると思います。
しかしながら,医療は全ての病気を治すことはできない以上,患者さんの期待に添えず,最悪の場合,不幸な結果を招く可能性もあることもあります。
この点,不幸な結果が生じたとしても,それが全て医療上尽くすべき注意をしなかったからということはなく,むしろ,医療上尽くすべき注意を尽くしてもなお回避できなかったものであることが大半であり,この場合には過失に基づく法的責任を負うことはありません。(過失によって生じた結果については,患者さんに対して誠実に対応する必要がありますし,再び同じような過失をおかなさいよう,対策を講じる必要があることはいうまでもありません。)
もし,過失がない場合にも責任を問われる(結果責任といいます。)ことになれば,医療機関は不可能を強いられることになるため,治療行為(特に高度かつ先進的な治療においてはそのリスクは高くなります。)を行うことにつき二の足を踏むことになり,結果として,医療の進歩が得られないばかりか,最終的には患者さんが適切な診療を受けられなくなり,助かり得た命も助からなくなるということにつながります。
当事務所は,医療に携わる皆様が,結果責任を問われるかもしれないという恐れを抱かず,のびのびと治療に専念していただき,医療の進歩,最終的には現在および将来の患者の治療に尽力していただきたいと考えております。
患者さんから,医療行為に対する理解の不十分さ等のゆえに,結果責任を問われるような事態に陥った場合,医療機関にとっては,このような患者さんからの問責に対応することは非常に労力をさかれることになりますし,医療行為に対するモチベーションも低下することになります。
そのようなときには,当事務所が,医療機関の皆様に代わり,医学的見地から,治療が適切であったこと,不幸な結果が生じていたとしてもそれは合併症等やむを得ないものであり,過失によるものではないことを患者さん側に説明(訴訟等,法的手続に移行した場合は防御活動)する役割を担い,皆様が安心して医療に専念できる環境作りに微力を尽くしたいと考えております。
また,医療トラブル以外についても,医療従事者との労働関係,医療費の回収など,医療に携わる皆様が医療行為に集中することへの妨げとなる法的問題は多々あります。
特に,労働問題については,放置しておくと未払い賃料の一斉請求や一斉退職など,医療機関の運営の根幹を揺るがしかねない問題に発展する可能性があります。解雇の問題についても、対応を誤ると他の職員の労働意欲や士気にも影響を与え、健全かつ適切な医療サービスを実現するにあたって大きなマイナスとなりかねません。
当事務所は,そのようなトラブルが起こる前から継続的に相談を受けることにより,上記のような労働問題が発生しないように対策を図り,医療機関の運営に支障を来さず,医療行為に集中できる環境作りに協力させていただきたいと思います。
未払い金回収についても,全医療費の約1%が未払いであることから,医療機関の経営に少なからず影響を与えております。当事務所は,顧問契約を締結させていただいている医療機関につきましては,実費のみのご負担にて法的手続による回収を行う等,経済的にも,回収業務に携わる方の労務を軽減する見地からも,経営の健全化に協力させていただきたいと考えております。
そして,上記に限らず,法律問題が発生する前に予防し,医療に携わる皆様が医療行為に集中できる環境作りのサポートをさせていただきたいと考えております。
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