続・統計問題--背景は統計調査の煩雑さ

1 前回の振返り

 前回,弊所のメルマガでは障害者雇用の問題を扱いました。その際,障害者差別の問題よりもまず先に,「この国の統計は大丈夫か?」という問題意識を書かせていただきました。なにせ障害者の数さえわからないのですから。

 

2 新たな統計不正の発覚

 そして新たに統計不正が見つかりました。ニュースで連日報道されていますが,従業員が500人以上の全企業を対象にして調査しなければいけない統計を,一部の企業についてのみ調査していたという厚労省の統計不正です。
 これによって失業保険等、労働法分野も大きく影響を受けました。

 激しい批判に対し,担当官僚からは,「全数調査は企業にとって負担だったため,配慮した結果こうなった。」などという弁解が行われているそうです。
 国会を中心に政権の陰謀だなどと言われていますが,「厚労省も企業も面倒くさかったんだろうな。」ということに尽きると思います。これが全てでしょう。不正は民主党が与党だった頃も行われていたのですから。

3 調査の実態

 「統計は国家の大事を決める資料。調査が面倒とは何事か。」と批判するのは正論ですが,なお回答しやすい統計調査方法を整備することも大事だと思います。ちまたのアンケート調査でも,本当に回答させる気があるのか疑わしい複雑怪奇なアンケートがあります。今回問題になった「毎月勤労統計調査」も同じようなものです。
 この調査では,30頁弱ある記載マニュアルの内容を理解した上で,そのマニュアルにそって,指定の調査票に500人分のデータを記載していきます。それをプリントアウトして,送付する。これを毎月行います。一部企業の給与計算ソフトは調査票対応型らしいですが,手間がかかることにかわりありません。
 ちなみにオンラインで提出することもできるそうです。しかし,まずは利用を申込み,やはり20頁ぐらいのマニュアルに従って操作する必要があります。
 そもそも厚労省のホームページが見にくくて,知りたい情報をすんなり調べさせてくれません。
 企業が必要以上に統計調査に苦労させられている印象です。
 

4 まとめ

 もっと簡単に,もっと気軽に,正確な統計調査ができるよう,ホームページやシステムの構築をしなければならないと思います。
 気が早い話ですが,実は2020年は国勢調査の年でもあります。それまでに統計調査方法の整備が進んでいることが望まれます。

 


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