労働法コラム⑬新型コロナウイルスに伴う休業手当について

 
 新型コロナウイルスが蔓延し,大分でも感染者が増加しています。そのため,様々なイベントが中止になったり,人が多く集まる飲食店や施設に出かけるのを控えたりして,経済に大きな影響が出ています。使用者(経営者)にとっては,従業員を雇用していくのも大変になっていくと思われます。東京ディズニーランドの休園に伴い,従業員が給料の10割すべてを要求したというのが話題になりました。
 
 そこで,今回は,新型コロナウイルスに関連して従業員を休ませる場合の措置について簡単に説明したいと思います。

① 新型コロナウイルス感染が疑われる方を休業させる場合
 労働基準法では,「使用者の責に帰すべき事由」による休業の場合,使用者は,休業期間中の休業手当(平均賃金6割以上)を支払わなければならないとされ,これが原則です。感染の疑いがあるだけで、職務の継続が可能な常行院に会社の判断で休業を指示することは、「使用者の責に帰すべき事由」による休業にあたり,休業手当を支払う必要があります。

② 新型コロナウイルスに感染した方を休業させる場合
 新型コロナウイルスに感染しており,県知事が行う就業制限により労働者が休業する場合は,一般的には「使用者の責に帰すべき事由」による休業に該当しないと考えられますので,休業手当を支払う必要はありません。
 
③ 熱があるという理由で休業させる場合
 新型コロナウイルス感染かどうか分からない時点で、発熱などの症状があるため労働者が自主的に休まれる場合は、通常の病欠と同様に取り扱えばよいと思います。他方で,そのような症状があることから一律に従業員を休ませる場合は,一般的には「使用者の責に帰すべき事由」による休業にあたり、休業手当を支払う必要があると思います。もっともこの点は,難しい問題だと思います。わからないことがあれば,ぜひ,弁護士に相談してください。

 従業員のみなさんにきちんと説明・紹介してあげることで,より働きやすい環境が作られ,ひいては,企業価値を高めることになると思います。
 コロナショックで大変な状況であることは十分承知しておりますが,今回のことをよい機会ととらえ,従業員の方々と協力し合い,素晴らしい会社にするお手伝いができれば幸いです。

(執筆 弁護士小野貴久)


 
 

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