被相続人と疎遠だった相手方に対し、法定相続分の4分の1の遺産分配案で納得させ、さらに4か月というスピード解決ができた事例

ご相談者様
年代:60代
被相続人との関係:姉妹
相手方:被相続人の甥・姪
エリア:大分市内
相続財産(遺産):不動産(1500万円前後)、預貯金約3500万円、有価証券:約1000万円、その他動産
争点
相談に至った経緯
依頼者や被相続人は、相手方である甥・姪とは生前関係性がなく、電話番号は知っているが電話したことも、話したこともないようなレベルの関係性でした。
被相続人であるお姉さんは本州にお住まいで、10年弱ほど月に1週間くらい介護や身の回りの世話のために依頼者の方が訪問もされていました。
また亡くなった後の死後事務の処理もAさんが全てされました。
相手方である甥・姪はそもそも被相続人が亡くなったことすら知りませんでした。
本来、遺産を法定相続分通り分けるとなると、依頼者は2分の1、甥姪に4分の1ずつ分配する必要があり、長年にわたって身の回りの世話をしていたことや、関係性が全くなかった甥・姪に遺産を法定相続分通りに渡すことに抵抗があったAさんは、どうすべきかと当事務所にご相談にいらっしゃいました。
弁護士が対応したこと
今回のような事案では、遺産を法定相続分より減らした分配案を納得いただくために、弁護士が強い態度で交渉しないで、丁寧に進める必要がありました。
そのため、過去の介護などの経緯や遺産の内容をまとめた資料を作成し、甥・姪のお二人に理解してもらうお願いの文章を作成し、送付しました。
また、そもそも疎遠だった方々になるため、相手にとってその後の手続きが煩雑にならないように、本州にあった不動産の管理や、死後の様々なトラブル対応もすべてこちらが引き受けるといった旨の内容を入れました。
また、Aさんは死後事務を専門家に依頼した際に100万円ほどご自身で支出されていましたが、本来この手続き費用の半分を相手方に請求してもおかしくないものですが、それも請求しないといった確約を示しました。
そのうえで、相手方に400万円ずつお渡しすることをご提案しました。本来3500万円ほど渡す必要がありましたが、800万円に抑えるような提案でした。
結果
法定相続分の3分の1以下になってしまうような提案でしたので、当初は受け入れていただけるか不安でしたが、弁護士が丁寧に交渉したことや、資料作成においてもこちらが誠意を示したことで、すんなりと納得いただくことができました。
ご相談いただいてから4か月で解決させることができました。
担当弁護士のコメント
今回のような事案では、乱暴に交渉してしまうと相手方が感情的になり、遺産を法定相続分通理の分配しか認めないといった要求をしてくる可能性がある事案でしたが、丁寧に交渉したことで、法定相続分よりもかなり低額な遺産分配に納得いただくことができました。
また、相手方が感情的になってしまった場合、解決期間は1年や2年など長期化し、裁判までもつれてしまうことがほとんどですので、そういった裁判手続きに乗せることなく、早期に解決することができ、良かった事案でした。
無理なお願いをしていたため、相手の手間をいかに減らせるかという点も工夫しました。
提案書や簡単に回答できる回答用紙を作成し、相手方が弁護士と電話や直接話をするといったストレスも感じさせないような形にしたため、早期に解決できたと考えています。