不動産相続のQ&A | 大分相続弁護士相談窓口

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不動産相続についてのQ&A

不動産相続についてのQ&A

目次

Q1.遺産分割協議をするために不動産を評価したいのですが、評価額はどうやって確定するのですか?誰の意見を参考にすべきですか?

(1)評価額の算定方法 不動産の評価にあたっては、様々な方法が考えられます。以下では、4つの不動産の評価方法を紹介します。
①公示価格…国土交通省土地鑑定委員会が、適正な地価の形成に寄与するために、全国2万6000地点の標準地の価格が公示された価格をいいます。標準地の情報については、「国土交通省 不動産情報ライブラリ(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)」をご参照ください。
ただし、土地はその場所などに応じて大きく価値が変わってきます。そのため、遺産となる土地が標準地に近接する場合でも、土地それぞれの個別事情を考慮する必要があります。このようなデメリットがあるため、公示価格をそのまま評価方法(評価額)として利用することは難しいといえるでしょう。
②実勢価格…当該不動産が実際に売買された場合に、売却額がどれほどになるかを基準に算定する方法です。ただし、「時価」自体の算定にあたっては、他の評価方法や、個別の不動産の事情なども考慮することになるので、すぐに時価を算出できるわけではありません。
③路線価…道路に割り振られた土地1平方メートル当たりの単価のことをいいます。主に相続税や贈与税(又は固定資産税)の算定基準として用いられています。基本的に「路線価×土地の面積」で評価額を算定することができますが、土地の形状などの要素から修正を図ります。
④固定資産税評価価額…全国で統一された評価方法により算定された、土地・建物の適正価格のことをいいます。「固定資産税評価額」は、固定資産評価証明書や固定資産税課税明細書から確認することができます。一般的に、固定資産税評価額は公示価格の7割ほどと考えられています。
(2)参考となる意見
上記の評価額算定方法が様々あり、それぞれの方法も細かな要素を踏まえて算定することになります。そこで、不動産の評価方法・評価額について不安がある場合には、不動産鑑定の意見を参考する方法があります。「不動産鑑定士」は不動産取引や市場経済などを踏まえて不動産の鑑定を行う国家資格です。

Q2.不動産の時価評価額はいつの時点のものが有効ですか?

基本的には、「遺産分割時の時価」で遺産を評価することになります。仮に「相続時の時価」を用いた場合、相続以後の価格変動が反映されないことになるためです。
もっとも、遺産分割にあたって、具体的相続分を用いる場合には、「相続時と遺産分割時のそれぞれの時価を踏まえた2時点評価」で遺産を評価します。具体的相続分とは、法定相続分(又は指定相続分)に、特別受益や寄与分などの個別事情を取り込んで導かれる相続分をいいます。特別受益は、ある相続人が遺産の前渡しともいえる生前贈与や遺贈を受けた場合に、それを相続財産とみなし、相続の公平を図る制度です。寄与分とは、ある相続人の尽力によって、遺産が維持形成された場合に、その寄与部分を相続財産から切り離し、相続の公平を図る制度です。相続人の中で、特別受益や寄与分を考慮する具体的相続分を前提に遺産分割を行うべきであると主張されている場合には、上記の2時点評価を前提に遺産となる不動産を評価します。
ただし、特別受益や寄与分の発生が認められる場合でも、相続人全員が「相続時の時価」を前提に評価することを合意しているときには、この合意に従って不動産を評価することになります。

Q3.父が亡くなってから遺産分割協議が終わるまでの収益物件の賃料は誰のものになるのですか?

亡くなったお父さんが収益物件を所有されていた場合、相続開始後にも賃料などの収益が発生することになります。この収益は誰が取得できるのかが問題となりますが、最高裁はこの点について判断しています。最高裁(最判平成17年9月8日)は、「相続開始から遺産分割までの間…に遺産である賃貸不動産を使用管理した結果生ずる金銭債権たる賃料債権は、遺産とは別個の財産というべきであって、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得する」と判断しています。つまり、この判例は、賃貸不動産自体が遺産に含まれる場合であっても、その不動産から相続開始後に発生した賃料債権は別個の財産であり、法定相続分に従って各相続人に帰属すると指摘しています。
もし既に賃料を独占している相続人がいる場合には、法定相続分に従った限度で分配されるように、受け取った賃料を返還するように求めることも可能です。

Q4.遺産である賃貸物件から発生する収益を1人の相続人が独占している場合どうすれば平等に分配できますか?

遺産である賃貸物件から発生する収益(家賃)は、遺産である賃貸物件とは別個の財産であり、遺産分割の対象とならないと考えられています(詳しくは、【Q7-2-1】の回答をご参照ください。)。そのため、相続開始から遺産分割までの間に発生した収益は、法定相続分に従って、共同相続人に当然帰属することになります。
それにもかかわらず、特定の相続人が発生した収益を独占している場合には、他の共同相続人の財産を侵害しているということになります。そこで、財産を侵害された他の共同相続人は、侵害している相続人に対し、その利益の返還などを求めることができます。任意に返還してくれない場合には、裁判所に訴えを提起することが考えられます(不当利得返還訴訟や不法行為に基づく損害賠償請求訴訟などが考えられます)。この訴訟で訴えが認められれば、共同相続人が法定相続分に従って賃貸物件から発生する収益を受け取った場合と同じ状況を作り出すことができます。
ただし、将来発生する収益については、裁判において求めることはできないと考えられていますのでご注意ください。

Q5.遺産に収益物件が含まれている場合、遺産の評価額を決めるにあたって注意すべきことはありますか?誰に相談するのが良いのですか?

収益物件の評価額算定にあたっては、以下の点に気を付けましょう。一般的な物件とは異なる点もあるので注意が必要です。以下では、収益物件における算定方法を紹介します。
(1)収益物件の収益状況などの確認…収益物件といっても、収入と支出、空室率などは物件ごとに異なります。このような状況を確認し、収益物件の利回りを把握することが、収益物件の適切な評価額の算定を実現することができます。
(2)収益物件の評価方法の決定…収益物件の評価方法については、様々な方法が考えられます。たとえば、
①取引事例比較法…状況が類似する不動産が売買された事例を踏まえて、不動産の評価をする方法をいいます。
②積算価格…土地・建物の価格をそれぞれ評価したうえで、それぞれを合算した価格を評価額とする方法。主に銀行が担保となる不動産の価値を把握するために調査する方法と同じ。
③再調達価格…同じ建物を作り直す場合に、かかる費用から評価する方法をいいます。
④収益還元価格…直近の家賃収入を利回りで割り戻して計算する方法。
などがあります。いずれの方法を採用するか、複数の方法を組み合わせて評価するなどを、共同相続人間で決める必要があります。
(3)遺産分割…相続人間で収益物件の評価方法を決定することができれば、その収益物件をどのように分割するかを決定する必要があります。分割協議が進まない場合には、遺産分割調停や審判などを活用します。
収益物件については、評価額の算定方法が確立していないため、評価方法から争われることがあります。お困りごとがありましたら、ぜひ一度専門家にご相談ください。

Q6.遺産に収益物件が含まれているのですが、その賃料収入や管理費用は誰か負担するの?

(1)賃料収入
遺産にアパートなどの収益物件(賃貸不動産)が含まれている場合、遺産分割までの間にも賃料債権(家賃)が発生することになります。この賃料債権が遺産分割の対象となるか否かに最高裁で争われたことがあります。遺産分割の対象となる場合には、共同相続人で遺産分割をしなければならないのに対し、遺産分割の対象とならない場合には、遺産分割確定までの間に発生する賃料債権は法定相続分に従って当然に相続人に帰属することになり、取り扱いが大きく異なってきます。
最高裁(最判平成17年9月8日)は、「相続開始から遺産分割までの間…に遺産である賃貸不動産を使用管理した結果生ずる金銭債権たる賃料債権は、遺産とは別個の財産というべきであって、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得する」と判断しています。つまり、この判例は、賃貸不動産自体が遺産に含まれる場合であっても、その不動産から相続開始後に発生した賃料債権は別個の財産であり、法定相続分に従って各相続人に帰属すると指摘しています。そのため、賃料収入については、遺産分割の対象となりません。
(2)管理費用
管理費用は、アパートなどの収益物件を所有している場合に、賃貸人が支払うべき債務です。収益物件の所有者が亡くなられた場合、相続人がその債務を承継することになります。
①そして、相続人が複数いる場合には、法定相続分に従って管理費用を負担することになります(民法253条1項、898条2項)。
②そして、この管理費用は、「相続財産に関する費用」にあたるため、相続財産から負担することになります(民法885条)。もっとも、遺産分割が終わるまで、遺産分割の対象となる現金や預金債権などは、基本的に管理費用の支払に充てることはできません。そのため、相続人が立て替えて支払うことも考えられますが、基本的にこれを遺産分割において反映させることはできないので、別途精算する必要があります。

Q7.遺産となったマンションに亡き父の同居人(後妻)が住み続けています。もし自分が実家を遺産として取得した場合はマンションを売却したいと考えていますが、立ち退かせることはできますか?

後妻が遺産となっているマンションに居住している(=占有している)場合に、その後妻が占有することを正当化する法律上の原因(これを「占有権原」といいます。)が認められるときには、たとえ相続人であっても、立ち退きを求めることができません。そして、本件では、占有権原として「配偶者短期居住権」が考えられます。
「配偶者短期居住権」とは、亡くなられた方の配偶者が、相続開始時に、亡くなられた方の所有していた建物(「居住建物」といいます。)に無償で居住していた場合には、遺産分割成立時等まで一時的に居住建物を利用することができる権利をいいます。この配偶者短期居住権は、被相続人死亡時に、その配偶者が居住建物に居住していれば、当然に成立する権利ですので、権利取得のための手続きや遺言などは不要です。
本件でいう後妻の方に配偶者短期居住権が成立する場合、これを占有権原とすることができます。したがって、共同相続人となるあなたであっても、後妻に対して、立ち退きを求めることはできません。
ただし、配偶者短期居住権は配偶者にずっと認められる権利ではありません。具体的には、居住建物が遺産分割の対象となるか否かによって場合分けが必要ですが、以下の日を経過することで配偶者短期居住権は消滅します。
居住建物が遺産分割の対象となる場合:遺産分割を完了した日、又は相続開始から6か月経過した日のいずれか遅い日。
居住建物が遺産分割の対象とならない場合:居住建物の取得者が配偶者短期居住権の消滅申入れを行った日から6か月を経過した日。
したがって、他の共同相続人が配偶者短期居住権を失わせたいと考える場合には、居住建物が遺産分割の対象となるときには、少しでも早く遺産分割を完了させることが、遺産分割の対象とならないときには少しでも早く解約申入れを行うことがそれぞれ重要です。
また、マンションに住み続けている後妻の方は、被相続人の配偶者として「相続人」となることが想定されています。そのため、マンションを売却するには、その後妻の方を含む共同相続人の間で、遺産分割を行う必要があります。

Q8.相続した土地が近隣との境界線があいまいで困っています。遺産の評価にも関わると思うのですが、どうすればいいのですか?勝手に境界線を決めていいのですか?

相続した土地と近隣の土地の境界があいまいなままの場合、相続税について影響が出ることが考えられます(ex.納付額が増えること、一括払いしか認められないようになりうること)。また、境界があいまいなままであれば、不動産の売却はほぼ不可能ですし、近隣住民とのトラブルにもつながりかねません。かといって、境界線を勝手に決めることではできませんし、隣接する土地の所有者とトラブルになってしまいます。そのため、「隣地所有者とともに境界をはっきりさせること」がとても重要ですが、そのためには以下のような方法を採る必要があるでしょう。
(1)境界確認書の作成 まずは、隣接土地所有者と立会いの下、「土地家屋調査士」による土地の測量を行います。「土地家屋調査士」は、不動産の物理的な状況を正確に把握するための調査・測量を行う専門家(国家資格者)です。土地家屋調査士が測量し、境界を確認することができた場合、「境界確認書」を作成することになります。しかし、この境界確認書は、隣接する両土地の所有者の合意(署名押印)がなければ作成することができません。そのため、隣地所有者が境界確認に協力的ではない場合には、境界確認書の作成を目指すことは適切でないといえるでしょう。
(2)筆界特定制度の利用 「筆界特定制度」とは、土地の所有者となっている登記名義人等の申請に基づき、筆界特定登記官が、筆界調査委員の意見を踏まえ、現地の土地の筆界の位置を特定する制度のことをいいます。そのメリットとしては、①公的な判断として筆界を特定できること、②裁判を起こさないため、迅速かつ費用を抑えつつ解決を図られることなどが挙げられます。なお、ここでいう「筆界」とは、土地が登記された際にその土地の範囲を区画するものとして定められた線であり、所有権の範囲を画する線という意味の「境界」とは必ずしも一致しないことがあります。
筆界特定の決定に不服がある土地所有者は、後述の境界確定訴訟を提起することができます。
(3)境界確定訴訟 「境界確定訴訟」とは、隣接する土地の両所有者間において、境界について争いがある場合に、所有者全員が当事者となって争う裁判のことをいいます。裁判となるため、費用・時間はかかってしまいますが、隣地所有者との合意などは不要ですし、裁判官が何らかの境界(筆界)を確実に定めてくれる点に大きな意義があります。
もっとも、境界確定訴訟については、通常の民事訴訟と異なる点があります。それは、境界を確定することを目的とする裁判であって、当事者の勝敗を決める裁判ではないということです。このような性質を有することから、境界確定訴訟では「通常の民事訴訟でのルール」が妥当しないことが多いです。たとえば、通常、裁判所は当事者の主張していないことを判断の基礎することができませんが、境界確定訴訟では「当事者の主張していない事実」も判決の基礎とすることができ、また、裁判官が独自の境界を決定することができます。また、当事者間の和解をもって訴訟を終了させることもできません。
そこで、当事者は、こういった境界確定訴訟の特徴も踏まえたうえで、訴訟を提起するか否か、訴訟でどのような主張を行うべきかを判断しなければなりません。そのため、境界確定訴訟に不安がある方や疑問がある方は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。

Q9.遺産である土地や実家の管理者は誰になるのですか?管理費用は遺産分配の時に考慮してくれるものなのですか?

1 遺産分割中の不動産の管理について
(1)原則論 相続人が複数いる場合、遺産分割が完了するまで、遺産は共同相続人の間で「共有」することになります(民法898条1項)。ここでいう「共有」の意義について、「(基本的に)民法249条以下の共有の規定が適用される」という旨の最高裁判所の判決(昭和30年5月31日)があります。そのため、共同相続人は、それぞれの法定相続分に応じた共有持分を有することになり、遺産の管理行為を行うには、その持分(法定相続分)の過半数の同意が必要となります(民法898条2項、252条1項)。たとえば、夫が死亡し、相続人が妻(法定相続分1/2)、子ども2人(法定相続分それぞれ1/4)という状況において、妻が「遺産である土地・実家を第三者に賃貸したい」と考えたケースを想定します。この場合、遺産共有状態にある不動産を賃貸することは、「管理」行為に当たるので、少なくとも子ども1人の同意を得て、持分の過半数の同意を得なければならないです。
もっとも、遺産の現状を維持するのに必要な「保存行為」については、単独で行うことができます。たとえば、単なる実家の修繕は、現状を維持するための「保存行為」であるため、一人の共同相続人の判断で行うことができます。
(2)その他の管理方法 また、共同相続人の持分の過半数(or全員)の同意がある場合、遺産の管理者を選任し、管理者に管理を委ねる方法も考えられます。この方法を採る場合、共同相続人は管理者に対して管理費を支出する必要があるでしょう。

2 管理費用の負担と遺産分割について
(1)管理費用の負担者 遺産分割完了までの間に生じた遺産の管理費用については、基本的に相続財産(ex.預金債権)の中から支払うことになりますが(民法885条)、相続財産が枯渇している場合などには相続財産から支払うことはできません。そこで、相続財産から支払えない場合には、遺産を「共有」する共同相続人全員が、それぞれの法定相続分に応じて管理費用を負担することになります(民法898条2項、253条1項)。もっとも、相続財産のうち、預金債権や現金については、遺産分割の対象となるため、基本的に遺産分割が完了するまで安易に引き出すことはできません。そのため、相続財産から支払うことができるケースであっても、共同相続人が一旦は管理費用を立て替える必要がある場合が十分考えられます。立替えが必要となる場合には、領収書などを保管しておき、後の清算の場面に備えましょう。
(2)管理費用が遺産分割の対象に含まれるか否か 遺産の管理費用が遺産分割の対象に含まれるか否かについては、様々な見解があります。もし遺産分割の対象に含まれるとすれば、立て替えた相続人の負担も考慮されることになり、遺産分割協議の中で、持分(法定相続分)に応じた管理費用の負担分配が実現可能です。
もっとも、一般的に、遺産の管理費用は、相続発生後(=被相続人死亡後)に発生するものであるため、基本的には遺産分割の対象とならないと考えられています。この見解を採った場合、管理費用を立て替えた相続人は、遺産分割協議の中で管理費用を立て替えたことを主張したとしても、必ずしもそれを遺産分割協議に反映させなくてもよいということになります。そのため、相続人が立て替えた管理費用を清算するには、遺産分割協議とは別に、不当利得返還訴訟などを提起する必要があると考えられます。

3 まとめ
遺産である土地・実家の管理は、共同相続人間で連絡を取りつつ行う必要がありますし、場合によっては誰かが管理費用を負担しなければならないことがあります。そのため、管理方法について共同相続人間で決められない場合や、管理費用負担について納得いかない場合などは、共同相続人間でトラブルとなることがあります。こういったトラブルを防ぐためにも、遺産の管理に不安や疑問がある場合には、ぜひ一度専門家にご相談ください。

Q10.自宅不動産を取得したいけれど、多額の代償金を払いきれない場合はどうすればいいですか?

遺産に含まれる不動産につき、代償分割が行われ、あなたが不動産を取得する場合、他の共同相続人に代償金を支払う必要があります。もっとも、この代償金が多額になり、これを直ちに準備することが難しいことがあります。そこで、こういった場合の対応方法として、以下のものが考えられます。
(1)分割払いなどで合意する方法 代償金の金額や支払い方法・期限については、相続人間で自由に決定することができます。そこで、不動産を取得することになったあなたとしては、遺産分割協議の時点で、直ちに代償金を準備することが難しいことを伝えて、分割方法や支払期限を遅らせてもらうことに合意してもらえないか話し合ってみることが良いと思います。他の共同相続人全員が分割払いなどに応じてくれた場合には、その旨を遺産分割協議書などに残しておきましょう。
(2)融資を受ける方法 他の共同相続人が(1)の方法に合意してもらえない場合、銀行などで融資を受けたうえで、それを代償金に充てる方法が考えられます。ただし、そもそも銀行から融資を受けられるか否か、担保となる財産を用意できること、利息が付されるため金銭的負担が大きくなることなどという問題があります。
(3)配偶者居住権を設定する方法 (1)(2)の方法が難しい場合、代償分割による取得は難しいと言わざるを得ません。もっとも、あなたが被相続人の配偶者である場合に、遺産の対象となる建物に居住し続けたいと考えているときには、配偶者居住権を利用する方法もあります。配偶者居住権を取得した場合、これまで住んできた建物に、基本的には終身で居住する権利を得ることができます。これは、その建物自体を所有する権利ではなく、あくまで「その建物を配偶者として無償で使用収益できる権利」ですが、これまでの生活拠点を変えずに、これまでどおりの生活を送りやすくなります。配偶者居住権の設定を受けることで、他の遺産の取り分は減る可能性がありますが、慣れ親しんだ建物に住み続けたいという意思をお持ちの配偶者の方にはお勧めできる方法です。
他の共同相続人との交渉は、分解払いなどの了解してもらうことが難しいことも十分想定されます。また、配偶者居住権の設定を受けられる場合であっても、その権利の内容と遺産分割への影響をしっかり考慮する必要があります。これらについて不安な点や疑問点がありましたら、ぜひ一度専門家にご相談ください。

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